――誘致競争からエコシステム競争へ
本稿の要旨
- 香港のSFOは2025年末時点で3,384拠点と推計され、2023年末から2年間で約25%増加した。
- 香港の成長を単純に「中国マネーの流入」と捉えることは適切ではなく、「中国と世界をつなぐウェルス・ハブ」としての機能が重要である。
- シンガポールでは2026年、SFOに関する規制・税制の運用が相次いで見直され、Substanceを重視しつつ立ち上げ・運営上の負担を軽減する方向が示されている。
- 今後の競争軸は税制だけではなく、人材、資本市場、投資機会、専門サービスを含む「ファミリーオフィス・エコシステム」へ移行すると考えられる。
目次
- アジアのファミリーオフィス市場に生じている変化
- 香港のSFOは3,384拠点へ――2年間で約25%増加
- 香港で拡大しているのはSFOの「数」だけではない
- 香港で増加しているSFOは「中国マネー」なのか
- 香港とシンガポールの競争力の相違
- 香港政府によるファミリーオフィス政策の強化
- シンガポールのSFOも2,000拠点超へ
- シンガポールは「厳格化」から制度の再調整へ
- 2026年における13O・13U等の運用見直し
- AUM管理およびローカル支出要件の整理
- SFOの規制枠組みと税制優遇は区別して考える必要がある
- 次の競争軸は「資産」から「人材」へ
- ファミリーオフィスを支える専門人材とエコシステム
- 実務上の示唆――「香港かシンガポールか」を超えて
- おわりに――誘致競争から「エコシステム競争」へ
- 参考資料
