シンガポールのEAMとは何か プライベートバンクとの違いと、ファミリーオフィスにおける活用

本稿の要旨

  • EAM(External Asset Manager)は、特定の銀行グループの内部組織ではなく、外部の立場から顧客の資産運用や助言を行う事業者を指す実務上の呼称である。シンガポールに「EAM」という独立したライセンス区分が存在するわけではない。
  • 簡単にいえば、資産は銀行や証券会社に置いたまま、運用を考える役割を銀行の外部の専門家に任せる仕組みである。
  • EAMの価値は、商品アクセスや運用成績だけではなく、資産保管と運用機能の分離、複数の金融機関を横断した管理、オープン・アーキテクチャ、専門家との連携等にある。
  • 一方、「独立系」であること自体が中立性や利益相反の不存在を意味するものではない。規制上の資格、取引権限、資産保管、報酬、総コスト、商品選定プロセス等を確認する必要がある。
  • ファミリーオフィスにとって重要なのは、EAMの優劣だけではなく、「ファミリーの資産管理体制の中で、EAMにどの機能を担わせるのか」を先に整理することである。

目次

  1. シンガポールのプライベートウェルス市場とEAM
  2. EAMとは何か
  3. プライベートバンク、日本のIFAとの違い
  4. EAMを使う意味はどこにあるのか
  5. クロスボーダー・ウェルスマネジメント
  6. EAMの費用は「総コスト」で考える
  7. 運用成績をどう評価するか
  8. ファミリーオフィスがEAMを選ぶ際の7つの確認点
  9. 見落とされやすい「担当者依存リスク」
  10. EAMをファミリーオフィスの「外部機能」として考える
  11. おわりに――EAM選定の本質

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